合成用不均一系金属触媒とは
当社の合成用不均一系金属触媒は、新素材DualPore™(ご参考:「当社素材の強み」)を触媒の固相担体に応用したものです。当製品は、特に連続フロー法での化学プロセスや合成(またはフロー精密合成技術、連続フローケミストリー、連続フロープロセス)に最適な、高活性かつ低背圧で、量産フロー合成にも利用可能な製品です。
フロー合成に利用可能な画期的な触媒担体
フロー合成技術は、触媒が充填されたカラムに原材料を流すことで、合成反応を完結することを目指す製造技術です。すでに大型石油プラントで運用され、環境負荷の低減、効率、安全性の面で様々な利点を持つことが知られています。
しかし、複雑な合成反応が求められる医薬品やファインケミカルなどの化合物では、フロー合成に適した触媒技術が乏しく、ほとんど適用されていませんでした。その大きな理由は、高性能かつ低背圧なカラムのベースとなる、不均一系触媒に適した触媒担体が無かったことです。
当社の触媒担体は、ナノスケール(10-9m)の「細孔」に加えて、従来粒子には無いマイクロスケール(10-6m)の「貫通孔」を備えた二段階構造を持つため、担体内部にまで物質が迅速に拡散し、分離性能が各段と向上することによって高性能を発揮します(パーフュージョン効果)。合成原材料が粒子のすみずみまで速やかに灌流し、DualPore™粒子表面に当社独自技術で担持された触媒へ効率的に接触できるようになり、触媒カラムの高性能化と低背圧化を同時に図ることができます。
これにより、高圧ガス規制による装置設置場所の制限を必要としない、フロー合成技術の特徴を最大限に活かした、量産フロー合成への道筋が立てられるようなります。
フロー法はバッチ法に比べてエネルギー生産性が高く、かつ、廃棄物の排出も少なく抑えることができます。そのため、省エネルギー、省廃棄物など持続可能なものづくりの手法として期待されており、2011年には、米食品医薬品局(FDA)でも今後25年でバッチ法から連続フロー法に替わるべきだと提言しています。
(フロー精密合成コンソーシアムホームページより引用)
製品ラインナップ&価格
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これまでに水素化還元反応や鈴木・宮浦カップリング反応に利用されるパラジウム触媒をDualPore™シリカに担持することに成功し、第一線の先生方にご確認いただいています(ご参考:Catalysis Science & Technology, Royal Society of Chemistry, Catal Sci, Technol, 2020, 10, 6359)。また複数のメーカー様においても高い評価を頂いています。ぜひ当社製品の導入をご検討ください。